工合、その他いかがですか。きょうは、曇天ではあるが気候は暖かで、私は毛糸のむくむくした下へ着るものは我知らずぬいでいるくらいです。今年はこれから一月一杯オーバーなしですごせる程の暖い正月だとあったけれども、どうかしら。そちらはこの暖かさがどの位おわかりになるのでしょうね。
十八日には思っていたよりずっと早くお手紙がついたので大変うれしゅうございました。その晩例によっておそくまで仕事をしていて、十八日の朝おきて、下の長火鉢のよこへ降りて行ったら、いろんな手紙、古本屋の引札や温泉宿の広告や、そんなものの間に、さも何でもなさそうに挾んで置かれてあった。それをとりあげ、そのまま又二階へまい戻りました。よんで、枕の横において、しばらく眠って又読みました。
私はひとり明るい日の光を夜具にうけながら天井を眺めて、笑った。あなたがやっぱり小さい字をお書きになったから。――しかも大変よくわかるように書けるから。
ありがとう。林町の人たちには、おことづてを一人一人につたえました。皆よろしくと申しました。島田の父上には、こちらからわかもと[#「わかもと」に傍点]をお送りいたしますから上るようにと手紙を
前へ
次へ
全32ページ中19ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング