求め得られる幸福
――今こそ婦人の統一を――
宮本百合子

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【テキスト中に現れる記号について】

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)[#地付き]〔一九四九年二月〕
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 今日は世界の婦人が平和と生活の安定のために手をつなぎあって働いていますが、私たち日本の婦人こそもっとも積極的に平和のため闘う立場にあります。なぜなら、こんどの戦争でもっともいためつけられたのは日本の婦人であり、それでいながら、今日でもまだ封建的な立場から解放されきっていないのが私たち日本の婦人ですから。ファシズムの下で戦争にかりたてられ不安のどん底におちいった国の婦人たちが、四年経った今日、イタリアなどではおどろくほど多数の婦人がファシズムに反対し、人民の民主主義を建設するための統一戦線に組織されています。日本ではどうでしょう。婦人の生活の辛さにかかわらず、婦人の民主的な統一戦線は、たえまない保守勢力の妨害によって十分発展されていません。政府が人民生活を再建出来ないでインフレーションの波のまにまに、当選したかと思うと、たちまち選挙違反で検挙されるような代議士の頭数ばかりあつめて、大臣
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