回覧板への注文
宮本百合子

−−
【テキスト中に現れる記号について】

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)割におうよう[#「おうよう」に傍点]なので、
−−

 私のところは、割におうよう[#「おうよう」に傍点]なので、些細なことで何や彼と廻してくるようなことはありません。
 ただ、その表現がなかなか整理されず――つまりは、皆の人によくのみこませようとするのでしょうが、重複したりして煩わしいものがあります。
 一番関心を持たせられるのは、お役所などから廻ってくる印刷物に相当ムダがあって例えば“祝い終った、さあ働こう”など、全く言わでものことではないかと思います、まるで“朝になった、さあお起きよう”というのと同じことでしょう、こんな標語をレイレイ[#「レイレイ」に傍点]しく印刷するより、もっと内容を厳選してほしいと思います。
[#地付き]〔一九四〇年十二月〕



底本:「宮本百合子全集 第十七巻」新日本出版社
   1981(昭和56)年3月20日初版発行
   1986(昭和61)年3月20日第4刷発行
初出:「都新聞」
   1940(昭和15)年12月
次へ
全2ページ中1ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング