とスーとわきを通過してしまうだろう。既に、米の三合配給などを公約した婦人たちは、途方にくれる立場にさらされている。自由党はそのような公約はしないといい、進歩党は「俺は知らないよ」といい、社会党は、落選代議士の公約であるという説明を与えている。婦人代議士は、私たち日本の婦人があらゆる場面で経験しているように、今や「婦人のことは婦人で」解決するためにも、日本の封建性と既成政党の腐敗とに対して、精力を傾けて闘わなければならないという教訓に面することとなったのである。
各婦人代議士たちが、公約履行の責任を明らかにするためには、自党の封建的な性格と組合ってそれを打破してゆかねばならず、そのためには、自身既成政党への再認識を明らかにして、一般の民主的輿論の圧力と結合し、自党内における婦人代議士の位置と「彼女達の公約」を政党としての公約として確立しなければならないのである。反民主的な演説の筋書きを与えられ、おくれた日本の、ものの考えかたにアッピールした婦人代議士は、今日自身の存在のために、そのようにして自身を立たしめた保守の力に向き直って闘う必要に迫られているのである。
今回選ばれた婦人代議士た
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