ました。兄妹の情愛にファシストとしてながれる思想がつらぬかれていたわけです。
現実の社会はあまくありません。ファシストとよばれる人びとのなかにやはりその思想でむすばれた恋愛・夫婦・協力した活動が実在することは、山岸ロマンスの実例がまざまざと語っています。
わたしたちの人生でどんなひとの幸福も平和も、それをうばう力との闘いなしにわがものとならないことは、あんまりはっきりしていると思います。あなたの職場へわたしがいった頃あそこにいた人たちに、どうかくれぐれもよろしく。そしてわたしのこの手紙をよませてあげてください。
[#地付き]〔一九四九年二月〕
底本:「宮本百合子全集 第十六巻」新日本出版社
1980(昭和55)年6月20日初版発行
1986(昭和61)年3月20日第4刷発行
底本の親本:「宮本百合子全集 第十二巻」河出書房
1952(昭和27)年1月発行
初出:「われらの仲間」第六号
1949(昭和24)年2月25日発行
入力:柴田卓治
校正:磐余彦
2003年9月14日作成
青空文庫作成ファイル:
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