や反革命的な富農が、家畜の共有を嫌がって非常に多くの牛、馬、豚を屠殺した。それを補うために、国営、集団農場で行われた牧畜は僅か一パーセント増しているに過ぎない。その結果肉類の欠乏が来ているのだ。
ソヴェト同盟内の集団農場の集団牧畜を急テンポに振興する努力だけが、この状態を根本的に救済するんだ。
野菜類は、決して実質的に不足は告げていない。どこにも旱魃《かんばつ》で悩まされた地方というのはなかった。ところで現在、農村に集団農場、箇人耕作をする中農、及富農と並存している過渡的情勢で、一番、野菜類穀物類を売り出す可能をもっているのはどの部分か。富農だ。
中農の箇人耕作は消極的性質で行われている。農業の社会化は五ヵ年計画の第一年でプログラムの二倍以上行われた。然し、それにしても、まだ建設期だ。特に野菜類を豊富に大衆へ行き亙らす程度にどの集団農場も発達しているとは云えない。
最も市場に売り出せる余分の農産品をもっている富農は、ソヴェト権力が益々社会主義的前進をし、急速に資本主義的要素を排撃するのに反抗し、あらゆる方法で、ソヴェト経済を乱そうとしている。富農の売却サボタージュが、野菜その他
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