され、失業者というものがソヴェト同盟にだけはなくなった。(日本の失業は三百万人、ドイツは六百万人、アメリカ七百万人です)七時間労働です。賃銀はもとの三倍になった。毎年一ヵ月勤労者は有給休暇をもらって元は大ブルジョアの別荘や離宮だった景色のいい「休みの家」へ行ける。
農村で、集団農場のクラブへさえ集まれば、モスクワからのラジオが聴ける。映画が見られる。診療所が出来た。学校が出来た。託児所と共同食堂が出来た。
これらすべてはどこから来たか。勤労階級の解放されたソヴェトの世の中だからです。
ブルジョア地主の日本では普選と云っても女はのけもので、特別な投票所をこしらえ、しかも投票の日に労働大衆に公休はよこしません。
ソヴェトの選挙は、相当大きいところではみんな各工場の中で大衆的に行われます。つまり職場でやるのです。これも理屈にあっている。
ソヴェト同盟の勤労婦人は、ところでどの位の割でソヴェト役員に選ばれているかと見ると、年々ふえている。市ソヴェトの例だけとってもこうです。
[#ここから3字下げ]
一九二二年――九分八厘
一九二五年――二割
一九二七年――二割一分四厘
一九二九年――
前へ
次へ
全9ページ中8ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング