\く團扇破れし熱さ哉
【都の人を伴ふて郊外に行く】
春 君が代の苗代見せう都人[#「春」は上部に出ている]
ふきかへす簾の下やはすの花
【ある人のみまかりしをいたみて】
此上にすわり給へとはすの花
のびたらで花にみじかきあふひ哉
屏の上へさきのほりけり花葵
手水鉢横にころけて苔の花
【少年の寫眞に題す】
竹の子のきほひや日※[#「※」は「二の字点」、第3水準1−2−22、29−2]に二三寸
【蟠松子の村莊をいづる時】
門さきにうつむきあふや百合の花
眞帆片帆どこまで行くぞ青嵐
紫陽花や壁のくづれをしぶく雨
何代の燈籠の苔か雪の下
【信州山中】
鶯や野を見下せは早苗とり
鰻まつ間をいく崩れ雲の峯
藻の花や鶺鴒の尾のすれ/\に
岩※[#「※」は「二の字点」、第3水準1−2−22、29−12]のわれめ/\や山つゝじ
【舟下岐蘇川】
下り舟岩に松ありつゝじあり
【蝉 文字結 頭】
腦病の頭にひゞくせみの聲
せみのなく木かげや馬頭觀世音
涼しさや行燈消えて水の音
涼しさや葉から葉へ散る蓮の露
夕立や松とりまいて五六人
思ひよらぬ木末の聲やくらべ馬
夕顏の露に裸の男かな
雨乞の中の一
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