/\氷のかげなるか
蝶/\や順禮の子のおくれがち
白魚やそめ物洗ふすみた川
競吟 鶯や籔の隅には去年の雪[#「競吟」は上部に出ている]
せり吟 雲雀野や花嫁鞍にしがみつく[#「せり吟」は上部に出ている]
鶯や雜木つゞきの小篠原
蝶/\やをさな子つまむ馬の沓
ぎやう/\し田螺おさへてなく蛙
鶯や籔わけ入れは乞食小屋
鶯やみあかしのこる杉の杜
鶯の影とびこむや皮文庫
壁ぬりの小手先すかすつばめ哉
鹿の角ふりむく時に落にけり
はきだめやひた/\水に鳴蛙
樋《ヒ》の口にせかれて鳴や夕蛙
雪院の月に蛙を聞く夜哉
(秋季)雀ともばけぬ御代なり大蛤[#「(秋季)」は上部に出ている]
迷ひ行く胡蝶哀れや小松原
なごりイ
飯蛸の手をひろげたる檐端哉
り檐の花イ
[#「なごりイ」は「檐端哉」の右側に、「り檐の花イ」は左側に、注記するような形で]
鹿の角落てさびしき月夜哉
五ツ六ツかたまつてとぶ胡蝶哉
小川からぬれて蛙の上りけり
風に來て石臼たのむ胡蝶哉
竹藪や鶯の鳴く窓二つ
竹椽を踏みわる猫の思ひ哉
歸る雁風船玉の行方哉
うか/\と來て鶯を迯しけり
とろ/\と左官眠る
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