の煙ゆれ上る
木枯やあら緒くひこむ菅の笠
順禮の笠を霰のはしりかな
【松山百穴】
神の代はかくやありけん冬籠
笹の葉のみだれ具合や雪模樣
しばらくは笹も動かず雪模樣
[#「笹の葉の」と「しばらくは」の句の上には、この二つの句を括る波括弧あり]
冬 動物
水鳥の四五羽は出たり枯尾花
枯あしの折れこむ舟や石たゝき
鴨ねるや舟に折れこむ枯尾花
[#「枯あしの」と「鴨ねるや」の句の上には、この二つの句を括る波括弧あり]
千鳥なく灘は百里の吹雪哉
水鳥のすこしひろがる日なみ哉
枯あしの雪をこほすやをしのはね
鷹狩や陣笠白き人五人
耳つくや下より上へさす夕日
賈島痩せ孟郊寒し雪の梅
枯あしや名もなき川の面白き
馬の尾に折られ/\て枯尾花
【田舍】
わらんべの酒買ひに行く落葉哉
順禮一人風の落葉に追はれけり
笘の霜夜の間にちりし紅葉哉
[#改頁]
明治廿五年
(廿五年)新年
【御題 旭出山】
不盡赤し筑波を見れは初日の出
【元日戀 課題】
初日の出隣のむすめお白粉未だつけず
死ぬものと誰も思はず花の春
御降の氷の上にたまりけり
【簔一枚笠一個簔は房州の雨にそほち笠は川越の風にされたる
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