ふすゝきかな
石上の梦をたゝくや桐一葉
見てをればつひに落ちけり桐一葉
【山姥の圖】
奧山や秋はと問へばすゝきかな
朝※[#「※」は「白+はち」、第3水準1−14−51、38−10]のひるまでさいて秋の行
折れもせで凋む木槿の哀れなり
繩
馬つなぐ綱にこかるゝ木槿かな
[#「繩」は「綱」の右側に注記するような形で]
そよ/\とすゝき動くや晴るゝ霧
蜑か家のかこひもなしに蘆の花
【菊慈童圖】
九日も知らぬ野菊のさかり哉
城あとや石すえわれて蓼の花
はちわれて實をこぼしたる柘榴哉
氣車路や百里餘りを稻の花
奧山やうねりならはぬ萩のはな
萩薄秋を行脚のいのちにて
さいてや赤しイ
葉も花になつてしまうか※[#「※」は「「曼」で「又」のかわりに「方」をあてる」、39−8]珠沙花
[#「さいてや赤しイ」は「なつてしまうか」の右側に注記するような形で]
一、二を生し二、三を生す我亦香
【大宮氷川公園】
ふみこんで歸る道なし萩の原
葛花や何を尋ねてはひまわる
行く秋のふらさかりけり烏瓜
石女の鬼燈ちぎる哀れ也(嵐雪の句に 石女の雛かしつくそ哀也)
[#「(嵐雪の句に 石女の雛かし
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