jの必要を唱導する者が多かったのである。その説くところに曰く、我らゼルマン民族は、欧洲大陸の中部に国を建て、しかもしばしば他国の侵略を蒙って、動《やや》もすればその独立の基礎を揺がされようとするのは、そもそも何故であるか。これ畢竟諸邦割拠して、民族の共同一致を欠くためではないか。故に、将来我らの独立を確実に維持すべき唯一の良策は、大いに民族的思想を発揮して、ゼルマン民族統一を図るより外はないというのであった。
 一八一四年、ナポレオンがライプチヒの戦に敗れてその本国に潰走した時、当時ハイデルベルヒの大学教授であったティボー(Thibaut)は、ドイツ兵の同市を経て続々仏国に向って進軍する有様を看て、これ正に我ドイツ諸国の独立を回復すべき機運の到来したものであると歓喜し、すなわち筆を呵して堂々ドイツ復興策を論じ、僅々二週日にして一書を公にするに至った。このティボーの著書こそ実にドイツにおける普通民法の必要(Ueber die Nothwendigkeit eines allgemeinen buergerlichen Rechts fuer Deutschland.)と題する小冊子であっ
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