の大ストライキが起った。さて困った事は彼の軍器法の励行である。戦争の急需に迫られて折角かくの如き厳重な法律は作って見たものの、かくの如き多数の違犯者が一時に出て来ては、この法律を実行することはとても出来ぬ。第一裁判所、裁判官、警察官その他の司法機関が足らぬ。その上に、一方では戦争の範囲が広まるに従って石炭の需要はますます急迫して来る。実際政府は如何ともすることが出来ないから、違犯者を罰するどころか、かえって軍器大臣ロイド・ジョーヂ氏は自らウェールスまで出懸けて行って、炭坑の持主と坑夫との双方を諭《さと》し、政府からも補助を与えて、幾分かストライキ坑夫即ち違法者の要求を容れて、それでようやく復業させることが出来たというような次第である。故に重刑をもって同盟罷業を防止しようとした折角の政策も、その始において物の見事に蹂躙《じゅうりん》され、その法律は生れて早々死法となってしまったのである。これで観ても、合同反抗を生ずることのあるべき法律を作るには、その実行の可能に関して充分な見込がないと、単にその法律が行われないばかりでなく、延いては一般に法の威厳を損ずるに至るものである。
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