にしていたずらに日月を消するのみにて、いっさいの製作品は英仏の輸入を仰ぎ、また国の経済を治むるに由なく、さすがに武勇なる兵士も貧乏に制せられて用をなさずと言う。
右のごとく、インドの文も、トルコの武も、かつてその国の文明に益せざるはなんぞや。その人民の所見わずかに一国内にとどまり、自国の有様に満足し、その有様の一部分をもって他国に比較し、その間に優劣なきを見てこれに欺かれ、議論もここに止まり、徒党もここに止まり、勝敗栄辱ともに他の有様の全体を目的とすることを知らずして、万民太平を謡うか、または兄弟《けいてい》墻《かき》に鬩《せめ》ぐのその間に、商売の権威に圧しられて国を失うたるものなり。洋商の向かうところはアジヤに敵なし。恐れざるべからず。もしこの勁敵《けいてき》を恐れて、兼ねてまたその国の文明を慕うことあらば、よく内外の有様を比較して勉むるところなかるべからず。
[#改段]
十三編
怨望の人間に害あるを論ず
およそ人間に不徳の筒条多しといえども、その交際に害あるものは怨望《えんぼう》より大なるはなし。貪吝《たんりん》、奢侈《しゃし》、誹謗《ひぼう》の類はいずれも
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