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二夜三夜ツウルの荘に寝る程に盛りとなりしコクリコの花
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コクリコの花とは虞美人草の俗名ででもあるらしい。作者はひなげしとちやんぽんに使つてゐる。ツウルの荘はピニヨン夫人のロアル川上の水荘である。当時の歌の ああ皐月仏蘭西の野は火の色す君もコクリコ我もコクリコ の大に盛なのに対し、この歌には十余年を経てすつかり落付いた作者の心境が示されてゐる。
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額髪ほほけしを撫で何となく春の小雨の降れと待たれぬ
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たわいない歌のやうであるが、棄て難い味なしとしない。ほほけしを撫でといふ所もよいのであらう、それが春の小雨といふ小さな期待であることもよいのであらう、何となくもよいのであらう、小さいことだがそれらが三つ重つて軽い楽しい持味を作り出すのであらうか。
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歌の本絵の本尋ね何時立たんセエヌの畔《ほとり》マロニエの下
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これはフランス囘顧の歌ではなく、四十になつた作者が夢に巴里に遊び、例の河岸の石垣の上に店を出した古本屋[#「本屋」に傍点]を覗
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