うとしたことがあつたがそれが出来なかつたことを覚えてゐる。今から見れば夢の様な話だが、若い頃の真剣な気持はそんなものであつたといふのであらうか。
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若き日に帰らんことを願はざりただ若さをば之に加へよ
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若いといふことは一面愚かなことでもある。だから若い頃にも一度帰りたいなどとは決して思はない。しかし若いといふことは逞しい力の働くことでもある。私は今若さから遠ざかつて愚かしさはなくなつて行くが、元気も同様に減つてゆく。そこで今日の熟成はその儘にしてその上に元気のよい若さだけを加へて欲しいと思ふ。ここにも常に進歩して止まない作者の心柄が出てゐる。
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移り住みやがて都の恋しさに心の動く秋の夕風
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夫妻は明治四十二年に千駄ヶ谷を出て町の人となり神田紅梅町から、中六番町、富士見町と十八年間を市内に送つたが、昭和二年荻窪の新居が落成してここに移り再び里住みの身となつた。ただ往来のみあつて家のなかつた当時の辺鄙な荻窪は都人の住み得る処ではなかつた。私は当時芝三光町に居てさへさう思つた。この歌は移居
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