如く思ひ乱れてゐるやうだと※[#言+虚、第4水準2−88−74]を云つてゐる相手に深く同情する歌でもあらうか。

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旅人に呉竹色の羅を人贈る夜の春の雁がね
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 チチハルの大人呉俊陞の若い夫人李氏に招かれ嫩江の畔の水荘に一夕を過した時、御別れに美しい虹の様な支那の織物の餞を受けた。先程からシベリアに向ふ春の帰雁が江の上をしきりに鳴いて通る。

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白き鶏罌粟の蕾を啄みぬ我がごと夢に酔はんとすらん
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 阿片は罌粟の実の未だ熟さないのを原料として採るので、花の咲かない蕾には無いのかも知れない、しかし下向きに垂れてゐる蕾は反つて重さうでその中には阿片がつまつてゐさうに見える。それを鶏が来てちよいと啄んだ。今にこの鶏も私のやうにその毒に酔つて沢山夢を見ることだらう。

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哈爾賓は帝政の世の夢のごと白き花のみ咲く五月かな
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 私は明治四十三年頃帝政の世のハルピンに一度遊んだ事があつてその公園の夜の賑はひを知つてゐる。夫人の行かれたのは今のソ※[#濁点付き片仮
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