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山行きて零れし朴の掌《たなぞこ》に露置く刻《こく》となりにけるかな
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秋の漸く深い水上温泉へ行つた時の歌。奥利根に添ひどこ迄も上つて行くと秋の日の暮れ易く道端に零れてゐた朴の葉の上にもう露が置いてゐた。では帰りませうといふ心であらう。
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半生は半死に同じはた半ば君に思はれあらんにひとし
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生きるならば全生命を燃やして生きます。半分生きるといふのは半分死ぬことですいやなことです、丁度あなたが半分だけ私を思つて、あとの半分で外の人を思ふのと同じです、私の堪へ得る所ではありません。恐らくは、はた半ば以下を言ひ度い為に、前の句を起したので目的は後の句にあるのであらう。
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月出でん湯檜曾《ゆびそ》の渓を封じたる闇の仄かにほぐれゆくかな
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月出でんで勿論切る。その底を利根川の流れる湯檜曾渓谷にはもう二時間も前から闇といふ真黒な渦巻とも気流とも分らないものが封じ込まれてゐたが、それが少しづつではあるがほぐれ出すけはひの見えるのは月が出るのであらう。闇がほ
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