照らすとは言ひ得て妙といふべく、或はこれ以上の表現はあるまいとさへ思はれる位だ。誰か旨い英語に訳して見たら如何かと思ふ。
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思ふ人ある身は悲し雲涌きて尽くる色なき大空のもと
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野に立つて目を放つと地平からむくむく雲が涌き上つてきていつ果てるとも知れない。思ふことなしに見れば一つの自然現象に過ぎまいが、人を思ふ私が見ると丁度物思ひの尽きない様にも見えて悲しくなる。
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正忠を恋の猛者ぞと友の云ふ戒むるごとそそのかすごと
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正忠は山城正忠君の事で、琉球那覇の老歯科医である同君は年一度位上京され、その都度荻窪へも立ち寄られた。同君は古い明星の同人で、若い時東京に留学されその時先生の門を叩いたのであるから古い話だ。当時一しよに私の家などで運座をやつた仲間の生き残つてゐるのは吉井君であるが、大家を別とすれば今だに作歌を続けてゐるのは同君位のものであらう。戦争で大分辺に逃げて来て故江南君によると単衣一枚で慄へて居られるから何か著物を送るようとの事であつたが、その時は最早小包便など利かなくなつてゐた
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