き込む歌である。
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よそごとになしてその人死にぬなど話を結ぶありのすさびに
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短篇小説の筋でも話すやうに一くさり我がロマンスを話したがその話の真剣なのに似ず、簡単によそよそしくその人は今は死んでゐないといつて話の結末をつけてしまつた。自分でもそれが一寸面白かつたのである。
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前なるは一生よりも長き冬何をしてまし恋の傍
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作者この時四十八歳。尚しかし恋の傍らといへるほどの若さと戯れにダンスをさへ弄ぶ快活さとを失つてゐなかつたのである。それでゐて、私が今頃になつて漸く感じ出した冬の長さを感じて一生よりも長いやうだと云ひ現はしてゐるのには全く感心させられる。感覚の感度の相違である。しかし私の場合とは反対にこの冬は恐ろしい冬でなく楽しい冬である。さあ恋の傍ら何をしようとするのであらうか。
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足をもて一歩退き翅もて百里を進むわりなさか是れ
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自分には人の持たぬ翅がある。この翅は前へ飛ぶことを知つて退くことは出来ない。退くには足を以てしなければならない。人が一歩歩く間に百里飛んでしまつたのでは調子が合はないから後退しようとするが、足で一歩退くのではどうにもならない。まづさういつたやうな不合理である。世間の凡俗と自分との距離の大きさを痛感し当惑したものであらう。例へばこんな場合がある。源氏の作者を二人に分け、宇治十帖を娘の大貳三位の作と断じたのなどは、自分には極めて明白で疑ふ余地のないことである。文章を読み破る力のある人、歌の調子又そのよしあしを判別し得る人なら誰でも気がつく筈である。それを今日迄誰一人気づくものもなく、又今日私がそれを云ひ出しても一人の同意者も得られない。当惑せずにはゐられないではないか。
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落葉ども昔住みつる木の影の写ると知るや暖き庭
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これもいつもの万有教的観察のあらはれで、冬の日の暖かい日ざしはそのまま作者の人間の心の暖かさを呼び出し、地上一面に散らばつて落葉にまで話しかけさせるのである。
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青海波金に摺りたる袴して渡殿に立つわが舞の仕手
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美しい若い女の子の仕舞姿をたたへるものであらう。之に続いて
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