Dに積み込んでおきました。私はこの船を家の近くの大きな池に浮べてみて、悪いところをなおし、隙間にはヤーフの脂を詰めました。いよいよ、これで大丈夫になりました。そこで、今度は船を車に積み、ヤーフたちに引かせて、静かに海岸まで運んだのです。
 準備が出来上って、出発の日がやって来ました。私は主人夫妻と家族に別れを告げました。目は涙で一ぱいになり、心は悲しみで、掻きむしられるばかりでした。だが、主人は、私が船に乗るところが見たいと言って、近所の人々を誘って一しょにやって来ました。私は潮合を一時間ばかり待っていました。風工合もよくなったので、いよ/\向うの島へ渡ろうと思い、そこで、私は改めてまた主人に別れを告げました。私がひれ伏して、彼の蹄にキスしようとすると、彼は静かにそれを私の口許まで上げてくれました。ほかのフウイヌムたちにも、ていねいに挨拶して、舟に乗り込むと、私はいよいよ岸を離れたのです。
 私が岸を離れたのは、一七一四年二月十五日、朝の九時でした。主人や友人たちは、私の姿が見えなくなるまで、海岸に立って、見送ってくれていました。とき/″\、召使の月毛が、
「ヤーフ君、お大事にね。」

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