ばされたのであった。
啓吉は、うつらうつら薄目のままでまた深い眠りにおちたが、頭の中に、唄のような柔かい風が吹きこんで、蝶々も小鳥も、鰐も、草花も、太陽も、啓吉の夢のなかで、絵具が溶けるように、水のようなものの中にそれが拡がって行った。
[#地から1字上げ](昭和九年十月二十三日―十一月二十一日 東京朝日新聞)
底本:「日本文学全集20 林芙美子集 」河出書房新社
1966(昭和41)年2月3日発行
入力:林 幸雄
校正:小林繁雄
2003年8月8日作成
青空文庫作成ファイル:
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