が、係の者のいうには、それは簡単なことだけれど、ちょいと上役のお声掛りがなければならない。そこで最後に、山城守は係の者を動かすためには、どうあっても高役の同意を得なければならないことになったので、実は山城、みな異議なく賛成してくれることであろうと、ごく軽い気もちで、閉門《へいもん》を許されて第一の登城の今日の寄合いに、さっきふらりと言い出してみたのだ。
山城としては、急いでいることはいそいでもいた。
長庵のほうを毎日のように盛んに急《せ》きついているので、園絵は今夜にも源助町へ連れ込まれるかも知れない。そうなると、交換条件だけに、さっそく長庵のほうへ筆幸油御用下命の吉報を齎《もたら》さなければならないので、どうせ大したことでない以上、ひとつざっくばらん[#「ざっくばらん」に傍点]にブツかってみよう。老役連は気軽に、アア、それがいい、それが好いと言ってくれるであろうから、その言葉さえあれば、もう占《し》めたもの……そう思って、何気なさそうに切り出したのだったが、ところで、他の人々は、そうは取らない。閉門が解けて初めて出てくる脇坂山城、きゃつ何を言うかと些《いささ》か好奇心も手つだって
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