木華里《ムカリ》が現れる。
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成吉思汗《ジンギスカン》 あはははは、木華里《ムカリ》、われわれの結婚の夜の邪魔をするのは、この心ない太陽汗《タヤンカン》だよ。連れて行ってくれ。
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木華里《ムカリ》は、長い鞭をふるって虎に近づき、大きく床を打つ。
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木華里《ムカリ》 さあ、出て失せろ。乃蛮《ナイマン》の太陽汗《タヤンカン》め! (鞭の音唸る。猛虎は怒って、跳びかかりそうな敵意を示す)
成吉思汗《ジンギスカン》 (静かに起って行って)太陽汗《タヤンカン》! (一白睨《ひとにら》みで、虎は穏和しく立ち上り、木華里《ムカリ》に続いて天幕の外に去る。月いよいよ照り返る)
成吉思汗《ジンギスカン》 (元の天幕の出入口に帰り、床に坐る)ははははは、この成吉思汗《ジンギスカン》には、あなたに対する私の心中の虎のほうが、あの太陽汗《タヤンカン》よりどんなに恐しいかしれない。いや、合爾合《カルカ》、なにも怖がることはないよ。
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