正確なことは判らないが、ここに当時の王冠法曹(我国の検事に当る者)のオープニング・スピーチの一節を紹介することによつて大体知り得らるると思う。
「同月十三日フレンチ(被告人の家の主治医)は被告人からのノートを受け取つた。『早く来て下さい。妻が死にました』とそれには書いてあつた。彼の所に駆けつけたフレンチは、マンディーが浴槽の中に既に死んでいるのを見出した。彼女は仰向きに倒れていたが殆ど全身が水にひたつていた[#「彼女は仰向きに倒れていたが殆ど全身が水にひたつていた」に傍点]。口も顔も水の中に在り[#「口も顔も水の中に在り」に傍点]、両脛は臀部が直ちに突出し[#「両脛は臀部が直ちに突出し」に傍点]、ただ足の先だけが浴槽の端に出ていた[#「ただ足の先だけが浴槽の端に出ていた」に傍点]。(中略)被害者はよく発育して五フィート八インチの丈をもつていた。しかしてこのよく発育した女が両脚をのばしたまま浴槽の中で水に全く浸つていたのである。ここに甚だ簡単なしかも最も恐るべき殺人方法がある。これに依れば簡単に人を浴槽の中で溺らせることが出来るのだ。水のはいつている風呂は、人がはいつていれば無論、深くな
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