尺八寸、巾はEF(すなわち一番広い所)が二尺、底GHが一尺六寸、足の方に当る浴槽の上が(IJ)一尺七寸、底KLが一尺一寸五分であつた。
 高さはMNが一尺四寸、OPが一尺四寸二分。
 しかして初江の身の丈は五尺一寸あることがはつきりとわかつた。
 美しいお嬢さんが、この姿で風呂槽の中につかつており、周囲は全く静かで、時々栓からポタポタと音がして湯がたれている。この妙な不気味な静けさは我慢出来なかつた。
[#浴槽の被害者の図(fig1799_04.png)入る]
 正視するに忍びず、という感じで私はあわてて初江の身体を抱きあげようとしたが、それまでにさすがに心をしずめて初江の水の中の顔をじつと見ていた林田が、いそいで口を出した。
「多分もう駄目だろうが法律が何と云つたつてこの死体をここにほつておくわけにはいかない。すぐ木沢氏をよんで出来るだけ早く手当をしてもらわなけりやいかん。しかし、この状態を君ははつきりおぼえておいてくれ給え」
 私は、そう云われて改めてこの状態を充分頭に入れたが、いつのまにか林田は風呂場から出て電話の方に行つているらしく、あわてた声がきこえる。やがて彼は再び戻つて来
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