こと、これらをつくづくと考えたのです」
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「嘘かほんとうか判りませんが、とにかくやす子がもつていた薬が劇薬にいつの間にかかわつていたとすれば、あの日彼女にひそかに会つて話をしたことに嫌疑のかかるというのは不思議ではありません。十八日頃の秋川家のようすと云い、あの夕刊を見ても、やす子の話はまんざら嘘とも云えぬのです。こう考えて来ると私は真に不安になり出したのです。それに、今警部さんも云われた通り、いくら私がうぬぼれてもやす子が今私に恋してるとは思えないので彼女がはつきり私のことを、警察なり探偵の方に云つてしまえば私の立場は実に危いのです。何分私は今は一定の職もなく、偽名を用いて宿にいる人間ですから、変に思われても仕方がないのです。
「こう思うと、一刻ももはやぐずぐずしてはいられませぬ。それに、やす子の話では、自分にたつた一人親切にしてくれる人があつてやす子をかばつてくれてはいるということですけれど、その方というのは私の事を疑つているのだそうです。それがほんととすればやす子は少くともその人には私の事をしやべつているに相違ない。これはぐずぐずしてはいられぬと思つて、別段にあ
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