、
昼と夜との二色の休み場所だ。
ジャムシード*らの後裔《こうえい》はうたげに興じ、
バ※[#小書き片仮名ハ、1−6−83]ラーム*らはまた墓に眠るのだ。
54[#「54」は縦中横]
バ※[#小書き片仮名ハ、1−6−83]ラームが酒盃を手にした宮居《みやい》は
狐《きつね》の巣、鹿《しか》のすみかとなりはてた。
命のかぎり野驢を射たバ※[#小書き片仮名ハ、1−6−83]ラームも、
野驢に踏みしだかれる身とはてた。
55[#「55」は縦中横]
廃墟と化した城壁に烏《からす》がとまり、
爪の間にケイカーウス*の頭《こうべ》をはさみ、
ああ、ああと、声ひとしきり上げてなく――
鈴の音*も、太鼓《たいこ》のひびきも、今はどこに?
56[#「56」は縦中横]
天に聳《そび》えて宮殿は立っていた。
ああ、そのむかし帝王が出御《しゅつぎょ》の玉座、
名残りの円蓋《えんがい》で数珠《じゅず》かけ鳩《ばと》が、
何処《クークー》、何処《クークー》とばかり啼《な》いていた。
[#改丁]
[#ページの左右中央]
無常の車
[#改丁]
57[#「57」は縦中横]
君も
前へ
次へ
全43ページ中19ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
ハイヤーム オマル の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング