野口雨情民謡叢書 第一篇
野口雨情

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)土蜂《つちばち》

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)人目|怖《こわ》けりや

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)[#1字下げ]田舎乙女[#「田舎乙女」は大見出し]

/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)ねん/\小唄
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[#1字下げ]田舎乙女[#「田舎乙女」は大見出し]

おまへは田舎の
乙女さま

お馬で朝草
刈りにゆく

山ほととぎすが
山で啼きや

お馬もお耳を
たてて聞く

山ほととぎすは
渡り鳥

あの山渡つて
どこへゆく


[#1字下げ]土蜂[#「土蜂」は大見出し]

草を刈ろとて
鎌研ぎしてりや

蜂がとんで来た
土蜂《つちばち》が

蜂を見てたりや
鎌で指切つた

指を見せたりや
蜂ア逃げた


[#1字下げ]窓[#「窓」は大見出し]

山を眺めたが
山は物言はぬ

空を眺めたが
空も物言はぬ

    さうよ、ほんとに
    じれつたい

窓に来て啼け
山ほととぎす

たより聞かせて
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