なると
鳥が

チンカラ チンと
とまる

何んと啼いた
鳥だ

青空 見てゐて
啼く鳥だ

杉に ちやんと
とまり

チンカラ チンと
啼いた


[#1字下げ]春の空[#「春の空」は中見出し]

空は奇麗に
晴れてゐる

毎日 毎日
よい天気

遠くの山も
よく見えた

山の上まで
雪が解け

小藪で囀《さへづ》る
鶯に

うれしい うれしい
春が来た


[#1字下げ]菜の花[#「菜の花」は中見出し]

とまれよ とまれ
蝶々よ とまれ

畑の 中の
菜の葉の 上に

蝶々の すきな
菜の花 咲いた

咲いたよ 咲いた
きれいな 花が

菜の葉の 上に
ヒラヒラ ヒラと

蝶々よ とまれ
菜の花 咲いた


[#1字下げ]桜と小鳥[#「桜と小鳥」は中見出し]

山にも 里にも
春が来た

小鳥の お母さん
春が好き

ツーピー ツーピー
ツーピツピツ

小鳥のお母さん
花も好き

花では 桜の
花が好き

ツーピー ツーピー
ツーピツピツ

山にも 桜の
花が咲き

里でも 桜の
花が咲く

ツーピー ツーピー
ツーピツピツ


[#1字下げ]学校の前[#「学校の前」は中見出し]

学校の前は
畑です
畑の菜の花
咲くころに

わたしは入学
したのです
それから今日は
一年目

今年も菜の花
咲きました
わたしは二年に
なりました

畑に菜の花
咲くたびに
毎年 進級
いたします


[#1字下げ]桜花咲く[#「桜花咲く」は中見出し]

咲いて 見事に
ひらひらと

散るも勇まし
桜花

桜の花は
いさざよき

わが日本の
ほこりなり

頃も弥生の
春に咲き

富士の高嶺も
うららかに

人の心も
のびのびと

勇まし ゆかし
限りなく

花の吹雪と
やがて散る

国のほこりの
桜花


[#1字下げ]田螺の泥遊び[#「田螺の泥遊び」は中見出し]

田甫《たんぼ》の 田螺《たにし》は
泥だらけ

お顔が どこだか
わからない

お目々も どこだか
わからない

お顔も お目々も
泥だらけ

たんたん 田螺は
田の中に

朝から 晩まで
泥遊び

あつちへ 転げて
どつこいしよ

こつちへ 転げて
どつこいしよ


[#1字下げ]ひよこ[#「ひよこ」は中見出し]

ひよこのお家は
よいお家
朝からぽかぽか
日があたる

コツココツコと
親鶏が
ひよこを呼び呼び

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