で 仲よく
遊びませう
はねくら なはとび
ランニング
まけても 泣いては
いけません
かつても 自慢は
いけません
かちくら ごつこで
遊びませう
[#1字下げ]雀[#「雀」は中見出し]
雀の朝起き
早いこと
お日さまお顔を
出さぬうち
お目々をさまして
下さいと
坊ちやん 嬢ちやん
呼びながら
軒端で ちんちん
啼いてます
[#1字下げ]橇と少女子[#「橇と少女子」は中見出し]
雪の野原の
遠くから
ちんから ちんから
鈴が鳴る
馬に曳かせて
元気よく
鈴を振り振り
橇《そり》が来る
鈴の鳴るのを
少女子が
留守居しながら
聞いてゐる
[#1字下げ]村のかぢや[#「村のかぢや」は中見出し]
村のかぢやは
早くから
トツテン トツテン
トツテン カン
大鎚《おほつち》小鎚の
鎚の音
つくる鋤《すき》 鍬《くわ》
鎌 唐鍬
トツテン トツテン
トツテン カン
朝から晩まで
いそがしい
[#1字下げ]スキー[#「スキー」は中見出し]
スキーは 愉快で
面白い
つるつる 滑つて
走つてる
下手では スキーは
走らない
すつてん ころりん
よく転ぶ
上手の スキーは
ずんずんと
するする するする
面白く
原でも坂でも
走つてる
[#改ページ]
童謡について一言[#「童謡について一言」は中見出し]
この童謡集「朝おき雀」は、私が年来主張して来た所謂米英文化に影響されず、郷土即ち本来の日本国民性を護るために聊かなりとも児童の情操教育を培ふ基となれば幸ひであります。それについて童謡の立場から二三挙げて申し述べて見ませう。
一体童謡は、児童の歌でありますから、児童に判りにくいむつかしい文字やむつかしい意味を避けて、誰にも判るやうに書かなくてはならないのです。それは自然の心から生れて来る童心を中心として書くなり作るなりしなくてはなりません。そこでこの童心を除外したり、無視しては童謡は出来ないのです、その上童謡には異性間の愛着があつてはなりません。異性間の愛着のあるのは民謡ですから、童謡は純真無垢と言はるるのもこの点からであります。また教育の上から注意すべきことであります。
童謡には往々、犬と話をしたり、馬と話をしたり対人的の取りあつかひをします。何故かと言ふと犬も馬も万物あらゆるものは人間と同じに見るか
前へ
次へ
全14ページ中12ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
野口 雨情 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング