岳からは福岡県小倉高等女学校のために作りし寮歌である)
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[#1字下げ]伊那の龍丘[#「伊那の龍丘」は大見出し]

伊那《いな》の龍丘《たつをか》
    桃の花盛り

春蠶《はるこ》掃きませうか
    籠ロヂ干そか

春蠶|毛子《けご》になつた
    日和はよいし

簇《まぶし》たたいて
    桑摘み唄よ

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(伊那の龍丘は長野県上伊那郡龍丘村青年会のための作である)
[#ここで字下げ終わり]


[#1字下げ]帰る家なし[#「帰る家なし」は大見出し]
   (映画「さすらひの少女」の歌の一節)

帰る家なし
    帰らぬ旅か
水は流るる
    日は暮れかかる

無事で暮らせよ
    達者でゐろよ
無事で暮らそよ
    達者でゐようよ

秋もをはりか
    もう日は暮れる
厚い情も
    涙の種か


[#1字下げ]春降る雪[#「春降る雪」は大見出し]

何にが 不思議だ
春降る雪はヨー

山の峰さへ
一夜《いちや》で解ける

わしの扱帯《しごき》も
春降る雪かヨー

伊那に来た夜に
するりと解けた

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