聟さまほしや
縁が遠くて
   なさけなや
 アラテバヨ アラテバヨ

縁が遠けりや
   おしやれておいで
人目《ひとめ》惹かなきや
   縁が来ぬ
 アラテバヨ アラテバヨ

人目惹くさに
   門《かど》へ出て見たが
今日も空しや
   日が暮れる
 アラテバヨ アラテバヨ

いつそ金茶に
   髪の毛お染め
異国情緒で
   縁もあろ
 アラテバヨ アラテバヨ


[#1字下げ]夜明し千鳥[#「夜明し千鳥」は中見出し]

今夜忍ぶは
   恋ではないに(サイサイ)

千鳥ア宵から
   チロチロリンと啼きやる

寒や河原の
   夜明し千鳥(サイサイ)

わたしや恋路で
   ゆくぢやない

恋や恋路で
   忍んだ頃にや(サイサイ)

わたしや焔の
   火も吐いた


[#1字下げ]軒端雀[#「軒端雀」は中見出し]

軒端で雀の
   言ふことにや

窓から手紙を
   ちよいと投げりや

ちよいと見て袂に
   ちよいと入れた

アララのラ
   アララのラ

お母さんは知らない
   アララのラ

お父《とつ》さんも知らない
   アララのラ


[#1字下げ]
前へ 次へ
全26ページ中4ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
野口 雨情 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング