強。免生靈之塗炭。救黎庶之艱辛。年年進奉於上國。歳歳稱臣爲弱倭。今遣使臣答黒麻。敬詣丹※[#「土へん+犀」、128−4]。臣誠惶誠恐稽首頓首。謹具表以聞。
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此書信にはもとより支那人の手入れがありませうから、どこまで信用して善いかは疑問であるが、大意は變つて居りますまい。即ち日本はあなたの國に較べると國が小さい、あなたは中華の主となつて大きな國に居られる、併しもし戰爭でもしようといふならば決して辭するものではない、あなたの方から兵を遣はして我國を侵すといふことがあつても、其兵隊が來たからと言つて跪いてこれを受けるといふことはしない、あなたの國に從つた所で生きると決つては居らぬ、逆らつた所で死ぬと決まつたものでもない、いつその事賀蘭山の前に行つて一と博奕打つて見ようではないか、何ぞ恐るゝに足らんやなんて言つて、そのあとへ、併しこちらが勝つてあなたの方が敗けたら自分の國の恥ではあると、ずゐぶん大きなことを言つてやつたものです(笑聲起る)。それで支那でも全く驚いたのです。尤もこれは蒙古襲來の時の我邦のやり方に驚いて居つたからでもありませうが、とにかく從來支那のぐるりに
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