りをして、山の木の茂みへ寝た。三日ばかり人目を忍んで、五日目には夜両国橋へ来て、翌日|回向院《えこういん》の墓場へ隠れていて、少しずつ食物買って食っていたが、しまいには銭がなくなったから、毎晩|度々《たびたび》、垣根をむぐり出て、貰っていたが、夜はくれ手が少ないから、ひもじい思いをした。回向院奥の墓所に乞食の頭《かしら》があるが、おれに仲間に入れとぬかしおったから、そやつのところへ行って、したたか飯を食った」
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野郎、土性骨まで乞食になりおったな、しかしまあ、ここまで乞食になりきれりゃあ、人間もねうちものだと、神尾が感心しながら、野郎どんな面《かお》をして養家の閾《しきい》をまたぐのかと、調べてみました――
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「そして、裏から亀沢町へ来て見たが、なんだか閾が高いようだから(でも閾の高低がわかるだけの感は残っていたのが不思議)引返して二ツ目の向うの材木問屋の蔭へ行って寝た。三日目に朝早く起きてうちへ帰ったが、うちじゅう、小吉が帰ったとて大騒ぎをし、おれが部屋へ入って寝たが、十日ばかりは寝通しをした。おれがいないうちは加持祈祷いろいろとして、
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