たのだ、吾輩がともをして。近藤は非常な喜び方で接待をする。先方には土方もいる。原田左之助もいる。会ってみれば皆、剣に生きる同志で、死生を誓った仲間だ。興は十二分に湧いて、款《かん》を尽して飲むほどに、酔うほどに、ついつい夜更けに及んでしまって、今こうして立ちかえるところなのだ。案ずるほどのことはない、極めて無事にこれから、高台寺月心院の屯所へ帰って快く、ぐっすりと寝込むばかりだ――
 こういうような事情を、斎藤一が山崎譲に向って、橋上で、自分も一杯機嫌に任せていい心持で語るのは、もはや、帰ることも忘れているような様子です。
 ところが一方、斎藤をここへ置き放して、一歩先に進んだ伊東甲子太郎は、これはまた斎藤よりも一層いい心持で、ぶらりぶらりと橋の袂《たもと》まで来ると、そこに一人の人間が立っているのを認めて、
「おい、誰だ、そこにいるのは」
 酔眼をみはって誰何《すいか》したが、返事がない。よって、わざわざ摺《す》りよるように近づいて、
「なんだ、机竜之助氏ではないか」
 竜之助と呼ばれた立像は、無言でうなずいているのを伊東が、
「何しに、こんな夜更けに、こんなところにいるのだ、芹沢の
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