三人の歩調の旅人のために発せられたものに相違ない。
それと聞いてみると、ともかくも一応は歩調を止めないわけにはゆかない。
竜之助と、新兵衛と、譲とは、ぴたりと路中のある地点に歩みをとどめて突立ちました。六尺棒の軽格がそれに向って、足音を重くして静かに近よって来る。
四十五
六尺棒を携えた軽格の士が、行手を遮《さえぎ》って、
「しばし、お控え下さい、この先で、たった今、凄愴《せいそう》たる殺陣が行われつつありますから……」
「ナニ、殺陣が」
「して、何者と何者とが相闘っておりますか」
田中と山崎の二人が、踏みとどまって反問すると軽格が、
「いや、だまってお控え下さい、近よるは危険千万だからおとどめ申すのだ」
「何を」
田中新兵衛がいきり立って進んだと見ると、やにわに一拳を振り上げて、したたかに軽格の眉間《みけん》をナグリつけました。
「うーん」
と言った軽格は、のけ反《ぞ》ったかと思うと、もう姿が見えません。
これはあまりに乱暴です。ではあるけれども、口よりも手の早い田中新兵衛ではやむを得ない。一拳の下に軽格を打ち倒して置いて、三人がまた歩調を同じうして
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