いかげんで馬上から飛び下りて、一行と共に談笑しながら徒歩立《かちだ》ちになるという行進ぶりです。
 やがて、相当の時を費しての後に、春照村の火の見のところまで一行が到着すると、その程よきところへ、約二百俵ばかりの米を積み上げさせ、別に盤台にのせて夥《おびただ》しい緡銭《さしぜに》を積み上げさせました。金額としてはそう驚くほどではないにしても、銭に換えてこうして積み上げると、田舎《いなか》の者の眼を驚かすに足るほどの夥しさでした。
「さあ、これでよろしい、あとに残るものは五人だけでよろしい、他の一同はこのまま山へ引上げたり。そうして、平常通りに持場持場で仕事をしていること」
 青嵐居士はこう言って、一行の大部分を館《やかた》へ帰らせてしまい、右の銭と米とは、五人の若い者を選抜して張番をさせ、自分はそのまま馬に乗って、いずれの方向へか打たせて行きました。

         二十八

 ゆくりなくも、青嵐居士から駒井甚三郎のことが口に出たのを機会として、あの人及びその周囲の一行の消息に向って筆を転ずることに致します。
 読者の便宜のためというよりは、書く人の記憶の集中のために、まず地点を陸
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