から再三の御催促がありました、ナゼ任土貢を奉らないのだと……」
「お代官も困ったでしょう」
「ところが、陽城公が詔《みことのり》に答えていうのは……臣、六典ノ書ヲ按《あん》ズルニ、任土ハ有《う》ヲ貢シテ無《む》ヲ貢セズ、道州ノ水土生ズル所ノ者、タダ矮民《わいみん》有ッテ矮奴《わいど》無シ……とキッパリとお断わり申し上げてしまったのですね。つまり、私は昔の書物を調べてみましても、任土貢というものは、その土地に有るものを献上することで、無いものを献上すべきものではござりませぬ、わが道州には矮民というものは有るが、矮奴というものは無い、無いものを献上することはできませぬと、天朝に向って、キッパリとお断わりを申し上げてしまったのです」
 弁信法師はこういって、感慨深く息をついて、
「ところが聖天子は、それを御感心あって、それより以来、矮奴を貢《みつぎ》とすることを悉《ことごと》くおやめになってしまいました。賢臣と明主との間はこうなければならない事です。道州の民のその後の喜びはどのくらいでしょう、老いたるも、若きも、みな喜んで、そこで一家|団欒《だんらん》の楽しみが永久に保たれるようになりました
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