交ぜて若干の金を積み、それをザラリザラリと数えては積み、数えては積んでいる物の音ですから、お絹が怪しみました。
誰かこの座敷で金勘定をしているな――しかしこれは解《げ》せない。解せないのみならず、あるべからざることで、日頃、金がほしい、金がほしいと口に出しているのを、憎い狐狸《こり》どもが知って調戯《からか》いに来たのか。
そう思うと、ゾッと気味が悪くなりました。
「お前様」
「はい」
「ちょっと様子を見て参りますから、これにお待ち下さいませ」
お絹は住職をとどめておいて、こわごわとその室に近寄って見ますと、暗い中で、まさしくザラリザラリと銭勘定の音。
「誰?」
お絹がとがめてみますと、
「私ですよ」
「え?」
「私でございます」
「何をしているのです」
「お銭《あし》の勘定をさせていただいているんでございますよ」
「お銭の勘定……人の家へ来て何だって、そんな無躾《ぶしつけ》なことをなさるんです、いったいお前は誰です」
「私だというのに、わかりませんか」
「わからないよ、声を立てて人を呼びますよ」
「いけません、いけません」
「では、早く出ておいで」
「お絹様、わたくしでござい
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