ヒャラヒャラが、一際《ひときわ》賑やかな景気をつけました。
ほかにお客というのはないんだから、この角兵衛獅子の見かけた旦那というのは、おれのことだろう。そこでがんりき[#「がんりき」に傍点]の百は、どうしても御祝儀を気張らないわけにはゆかなくなりました。
「兄貴に負けずにしっかり[#「しっかり」に傍点]やんなよ」
と言って、がんりき[#「がんりき」に傍点]は例の左手で懐ろから財布を引き出すと、その中から掴み出した一握りを、鶏の雛に餌を撒くような手つきで、バラッと投げ散らしました。
がんりき[#「がんりき」に傍点]の百は、角兵衛獅子を相手に大尽風《だいじんかぜ》を吹かしていると、妙義の町の大人も子供も、その騒ぎを聞きつけて出て来ました。この見物の半ば最中に、角兵衛獅子の登って来たのとは反対の方角の側から、同じところへ登って来た一行があります。
この一行は角兵衛獅子のような嗚物入りの一行とは違って、よく山方《やまかた》に見ゆる強力《ごうりき》の類《たぐい》が同勢合せて五人、その五人ともに、いずれも屈強な壮漢で、向う鉢巻に太い杖をついて、背中にはかなり重味のある荷物を背負《しょ》ってい
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