明の火をうつして焚火をはじめ、
「先生、まだ私にはよくわかりませんがなあ、その五人の強力《ごうりき》というのはいったい何者なんでございます、それほど大事なものを持って、わざわざこんな道を潜《くぐ》り抜けて甲府へ落着こうというのは、何かよくよくの謀叛《むほん》でもあるんでございましょうな、ひとつその辺のところをお聞かせなすっておくんなさいまし」
七兵衛からこう言って尋ねかけられた時に、山崎は頷《うなず》いて、
「うむ、もっともな不審だ、お前から尋ねられなくても話そうと思っていたところだ。その五人の強力というのは、素性《すじょう》はまだよくわからないのだが、それはたしかに中国から九州辺の浪人だ、なかには容易ならん大望を持った奴がある。容易ならん大望というのは、隙を見て、甲府城を乗取ってしまおうという計画なのだ。甲府の城は名だたる要害の城で、徳川家でも怖れて大名に与えずに天領としておくところだ、それを乗取れば関東の咽喉首《のどくび》を抑えたということになるのだ。その五人の強力に化けた奴は、たしかにその一味の者共だ。そうしてあいつらが、坂本の宿へ馬を置きっ放しにして姿を晦《くら》ましたのは、
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