トリビアリズムを以てルカーチのテーゼを一応批判することは出来ようが(ペリヴェルゼフの如き)、本質的なことは、事実の羅列ではなくて事物の根本的な特徴づけなのである。ロマンの本質がブルジョア社会の文学ジャンルであるというテーゼが、卓絶した真実であることは、リフシッツやグリーブやシルレルの討論によって解明されている。そしてロマンの要素は今後と雖も止揚されて大いに用いられて行くものと思われている。
 本書が日本に於ける文芸活動(創作・文芸批評・文芸学)にとって根本的な指針となるものとして、多大のセンセーションをまき起こしたことは極めて当然だ。近来の文芸論上の収穫の白眉と云わねばならぬ。と共に参考になることは、ソヴェート・ロシアに於けるこの種の理論的検討が、極めて大衆的内容であるにも拘らず甚だ水準が高いということだ(コム・アカデミー文学部編)。
 (一九三五年・清和書店版・八十銭)
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 3 シュッキング著 金子和訳『文学と趣味』
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(L. L. Schucking の『文学的趣味形成の社会学』・一九三一年・の訳――初版は一九一三年の『文学史と趣味史』)
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