セの「文学」(?)の紹介と云った水準のものが、普通の通り相場である。そういうものに対比して、之見よがしに、之を持ち出して来るのも、一興である。
 内容は少しゴタゴタしすぎている。それというのも、出来るだけ沢山の人について書こうとしたためだろう。ただの報告に近いものさえある。そういうニュース的な興味をもう少し節約したならば、文明評論としても生きて来るし、文化の真の報道としてさえも生きて来るだろう。
 巻末の相当分量の付録「人民戦線以後の文学」という春山氏の筆になる文学と政治とのクロニクルは、この書物の意義をよく見抜いた上での補足というに値いしよう。
 この頃私は、文化問題に関する諸国の評論兼報告と云ったものの、纏った本に関心を持っている。今のミショオのもその代表者であるが、国際作家会議報告の『文化の擁護』、国際連盟のインテリジェンス国際協会の記録『現代人の建設』、ミールスキーの『イギリスのインテリゲンチャ』(之はまだ訳が出ていないが)、ロマン・ローランの『闘争の十五年』(ジードの『ソヴェート旅行記』も入れてよい)、等々の纏まったものを買って読みたいという気持である。
 右の本はまだ全部読
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