を倫理学の根柢に置こうと考えているのです。之がハイデッガーを真正面から利用したという例で、他の一方は先き程ちょっと触れたハイデッガーに連関のあると考えられる弁証法的神学(危機神学)の思想は、西田幾多郎博士によって自分の哲学体系の相当重大な場所に位置づけられた。西田博士は其の自分の弁証法を、ヘーゲルの観念論的な弁証法であるとか、又、マルクス主義の唯物論的弁証法に対して、自覚の弁証法(即ち自己意識の弁証法)として主張するのであるが、此の場合に持って来られるのが、危機神学の弁証法なのです。西田博士は最近自分の哲学を恰も生の哲学として特色づけて居られるが、それは我々にとって非常に意味のあることです。
[#ここで字下げ終わり]
[#ここから改行天付き、折り返して1字下げ]
B ヘーゲル復興の運動とハイデッガーとの連関については……
戸坂 ハイデッガーを動かしている形而上学的な意志は、直接に新カント派の哲学の没落として現われて来ている。だから、ハイデッガーもカント主義であるべきカントの哲学をさえ形而上学であると解釈しようとしている。で、ヘーゲル復興とは、形而上学の復興という意味を持っていると思いま
前へ 次へ
全273ページ中262ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
戸坂 潤 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング