前に述べた。そして此のハイデッガーの哲学の思想的背景は明らかにカトリックのものであって、其の先生であるフッセルルの哲学は、スコラ哲学の現代的形態とも云うことが出来るでしょう。
しかし、ハイデッガー哲学の持つもう一つの要素である所のディルタイは、云う迄もなくプロテスタントであり、嘗てのプロテスタントの驍将シュライエルマッハーの後を継ぐものである。従ってそれだけハイデッガーの哲学は、プロテスタント的特色をも兼ね備えていると云われています。
所がハイデッガーが言わば発見したと云ってよいキールケゴール、此のキールケゴールこそ、ハイデッガーが自分の哲学のやり方の先駆者として見出したのでありますが、恰も、其のキールケゴールは今日の弁証法的神学者達の拠り所となっている。弁証法的神学は言う迄もなく、プロテスタントの甦生運動であるけれども、シュライエルマッハー風のプロテスタンティズムに反対して、もっと古典的なものに帰ろうとして、其の為めにキールケゴールを持ち出す。そういう具合に、一方弁証法的神学が、従来のプロテスタント主義から離れると同時に、他方ハイデッガーは、従来のカトリック主義から多少ずれて[#
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