今夜は主として最近のドイツの哲学界の情勢とそれの日本の思想界への反映について戸坂氏のお話をうかがい度いと思います。
戸坂 独逸の哲学に就いてですが、それも新刊は此の頃余り手にしませんからよくわかりませんが、少しお話致します。
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大体、最近の独逸の哲学の傾向と云うのは、恐らく広い意味で生の哲学[#「生の哲学」に傍点]と云う特色を持って居ると思います。
生の哲学には、いろんな通俗哲学もある様ですが例えばシュペングラーとか云った連中が非常によく読まれているそうですが、アカデミカルな方面ではハイデッガーの哲学が全盛の様に思われます。ハイデッガーの哲学は、一体ディルタイとフッセルルを結合したものにあたるわけで、フッセルルはよく知られて居るように、非常に科学的な研究方法を採っています。云わば数学的な特色を持っている哲学であって、ディルタイの方は歴史的生活という問題を中心にしているだけに、可なり文学的な、詩的な特色を持っている。ですけれども、此の二つの相反した哲学は、最近の代表的なものとして一般の注目を惹いて居る。
狭い意味での所謂生の哲学、これはディルタイの方を含むわけ
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