や『数学史研究』『数学教育史』を貫く根本精神の顕揚に資するために存在する。
[#改段]


 12[#「12」は縦中横] 社会・思想・哲学・の書籍について


 聞く処によると、今年(一九三六年)の出版界は前年度に較べて多少勢づいて来たということである。尤もここで出版界というのは、文化的に一応承認された水準に達したものの出版をする世界のことで、色々な意味に於てインチキな出版物は計算外においての上であるようだ。つまり云わば真面目なものが、従って亦所謂「固い」ものも、前年度より少しは余計に出版されたと云われている。之は正確な統計によらなければ、何とも云えないことであるが、併し恐らくこの見方は当っているのではないかと思う。
 その本質上の動きはとに角として、所謂右翼(国粋・ファッショ・反動)の華々しさは、昨年の暮から今年の初めにかけて、多分その絶頂にあっただろう。それ以後は、華々しさの点から云えば、夫は下り坂になっている。例えば新聞は昨年頃よりは少しは自由に、日本の政治的動きに対する批評を下し始めることが出来たし、右翼も亦その所謂「右翼小児病」を清算して、観念的な華々しさから転向するようにな
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