存在していて、その存在に沿って随伴[#「沿って随伴」に傍点]して起こる或る関係が、意識による反映・模写ということであり、つまりそういう作用としての意識なのである。この関係は存在に随伴することなしには決して起きない。存在が存在しなくなれば起きなくなる関係だ。それでこの存在とこの関係との間には又何等かの関係[#「関係」に傍点]がある。之は一応不離な関係だが併し直接には因果関係ではない。反映・模写という言葉は、こうした非因果的な直接関係を云い表わす範疇なのである。だから実は意識があって存在を反映するのではない(意識は元来なかった)、却って反映という存在の随伴現象が意識ということだ。夫が「自分」ということなのだ。
自分乃至意識は、存在に随伴する関係であるが(その随伴の仕方関係が意識とも反映とも模写とも写すとも見るともいうことだ)、処が一般に存在に随伴する関係は、意味[#「意味」に傍点]と呼ばれる。意味は厳密に云うと存在の因果所産でも何でもなくて、存在が有つ[#「有つ」に傍点]処の一つの関係のことだ。存在に意味があり、存在が意味する[#「意味する」に傍点]のである(意識が意味するのではなくて存
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