用を博しているとは考えられないに対して、神社神道は日本の国体乃至日本の政治(祭りごと)と一致するものとして、今日の日本の社会では絶対的な権威を付与されている。この最も公的な行き渡った日本の国家的民族宗教に近いものが、宗教に数えられていないのは、他の色々の必要から来ることは別にして、少なくとも政治と宗教とを分離しようとする明治初年の宗教政策(尤もごく最初の政策はそうではなかったが)の所産なのである。併し之が宗教として公認されていないということが、宗教でないという証拠にはならない。
仏教は宗派神道に較べて、農民其の他の大衆の一部に、一定の地方的地域に従って、深く根を下している。特に真宗・曹洞宗・浄土宗・日蓮宗などがその主なるもので、仏教徒の総数約四千六百余万と称されている。尤もこのうち宗教的信仰を懐いていると見做してよい所謂信徒を別にして、大部分の者は単にその家族関係から云って一定宗派の寺院の檀徒だというに止まっているから、宗派神道の可なりに熱心な信徒と、直接その数を比較することが出来ない(各派の宗派神道の信徒総数は約千六百九十万である)。一般に僧侶は従来、漢学者・国学者・に並んで日本に
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